「初めてこの店を訪れたとき、祖父母の家のような匂いがして引き込まれました。なんだか落ち着くんですよね。毎晩仕事帰りにここに寄って一杯やって、夫と待ち合わせて家に帰るのが日常です」(書道講師、30代)。

「お母さんの代から長年通っているけど、私が体調を崩したときにはお母さんが作った煮物をみっちゃん(店主)が届けてくれたこともありました。店先で繰り広げるちょっとした親子喧嘩も見てきたから、なんだか親戚の家みたいな感覚で、居心地がいい店なんです。

 みっちゃんには、色々人生相談にも乗ってもらってますよ。余計なことは言わない優しさがある。『誰が何と言おうと、自分が決めたことならいいんじゃない』なんて、背中を押してもらったこともありました」(看護師、50代)

女子プロレスラーの常連客も多く店内にはサインがずらり

女子プロレスラーの常連客も多く店内にはサインがずらり

「角打ちをやっていると、これまでの自分の人生には関係なかった人たちとのご縁に恵まれます。プロレスラーや習字の先生など、いろんな世界の人に出会えるのが嬉しいね」と店主。

「お客さんとは、1994年から草野球チーム『横浜バローズ』を結成していて、僕は監督をしているんです。毎年、夏に三國屋野球大会も開催しています。

いつか横浜スタジアムで試合をしてみたいという夢があったのですが、結成から10年越しで、ついに叶いました」と語る店主に「あとは嫁さんだけだね」(50代)と馴染みの客が突っ込み、笑い合う。

 明るい笑顔と温もり溢れる店で人気の酒は『焼酎ハイボール』。

「爽快な辛口が好み。先代から受け継がれた名物ぬか漬けをあてに、さぁ、もう1杯!」

2022年5月9日取材

■三國屋酒店
【住所】神奈川県横浜市神奈川区広台太田町5−2
【電話番号】045-323-3802
【営業時間】17~23時(ラストオーダー22時)、日曜定休 焼酎ハイボール280円、ビール大びん430円、特大鮭カマ塩焼600円、ホワイトアスパラガス500円、お新香(ぬか漬け)250円
※営業時間等に関しては、店舗にお問い合わせください。

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