取り揃えている商品は2000着ぐらいだという
──では、倉庫の中にはもっとたくさん高価なお宝商品がある?
「ありますし、先日売れた商品の方がもっと高かったです。約21万円のデニム。店頭に出して3日くらいで売れちゃいました。でも本当はあまりビンテージを売りたくないんですよ。綺麗にとっておけば価値が上がっていくものだし、いま売るの怖いなって。まだ倉庫にたくさんあるんですけど、それも、ずっと買い溜めては売るのが怖くて手放せなかったものが山積みになっているっていう感じですね」
──それでも、高価な商品を店頭に出してすぐに売れているということは、あいりさんの目利きがよかったってことですね。
「そうなんですかね。運がいいんだと思います、マジで。『これは売れるだろう』といった感覚はだんだんついてきましたけど、ほぼ賭けだと思っているので。一応、相場をめっちゃ調べて、それよりも気持ち安めに出していますけど、まあ賭けですね」
──古着屋の経営で一番大事なのは「ピック(=仕入れ)」と言われています。あいりさんは、どのように仕入れをされているんですか?
「アメリカに知り合いがいて、全部その方から仕入れています。現地に一人で行くのは危ないので、基本的にビデオ通話でやり取りしていますね。いつか屈強な頼れるスタッフが入ってきたら、その人を連れて買い付けに行こうかなって」
──仕入れは、あいりさんが1枚1枚選んで決めるんですか?
「1枚1枚選びますけど、信用できる相手なので、最近は『〇〇年代のこういう服を何着ください』という感じで注文することもありますね。あと、前に勝手に送られてきたこともあって。急に身に覚えのないダンボールが届いたので、送り状を写真撮って連絡したら、『送っといたよ。振り込んでね』みたいに言われて(笑)」